食肉加工として県内初の食品衛生管理の国際基準「HACCP(ハサップ)」を導入した「とちぎ食肉センター」が今月1日開業。県はセンターの本格稼働に伴い、米国やEU、シンガポールに向けた牛肉の更なる輸出拡大に取組む。
2017年に廃止した両毛食肉センター(足利市)や、県畜産公社(宇都宮市)と那須地区食肉センター(大田原市)など3カ所の統廃合に伴い建設されたセンターは、芳賀町の県畜産酪農研究センター芳賀分場跡地へ整備。県や農業・食肉団体が出資し、運営は県畜産公社が担う。
敷地9万7千㎡で建物は3階建て延べ2万㎡、総工費133億円を投じた新施設の内覧を行ってきました。
これまで海外輸出する際は畜産業者が群馬県や岩手県に運んでいたが、国際基準を導入した施設により移動コストの軽減、県内消費者向けにより質の高い食肉を提供できる。一昨年度、県産農畜産物総輸出額の45%を占める県産牛輸出額は1億6,600万円で、今年度2億1,000万円を目標とする。
また、福島第一原発事故後から行ってきた県産牛肉の全頭検査も、4月より栃木を含む4県において抽出検査へ移行することが国で認められた。海外に向けた輸出体制は、国の審査を経て年末までに整う予定。
牛や豚の解体処理と競り市場など従来の機能に加え、サーロイン・ロースなど肉の部位をブロック肉として加工できるようになり、小売店にとって扱いやすい部分肉を買い付けることができる。
県内の食肉加工施設には県産牛の約2割の8千頭、県産豚は約4割の26万頭が出荷されていた。今後はセンターの処理能力に伴い県内畜産業者の出荷増を図り、2023年には県産牛を3割の1万2千頭、県産豚を7割の42万頭とする。
県畜産公社の瓦井一成社長は「徹底した高度な衛生管理のもと、食肉の海外輸出拠点にしたい」と意気込みを語っていた。