県紬織物技術支援センターは先頃、現地での建替え工事を終えリニューアルオープンした。
昭和28年2月小山市に紬織物指導所として創設、同47年の新築移転を経て平成15年試験研究機関の統合により現施設へと名称変更。
センターでは結城紬の全工程を通じた一貫生産ができる機能や新商品開発のための機器を整備し、紬産業の振興・発展を支援していく。
そのために紬織物の製織伝習生や技術研究生を受入れ、後継者を育成していくとともに、生産者が各工程の作業を自ら行える共同作業場としての機能も担っていく。
我が国最古の歴史を持つ最高級の絹織物のひとつである結城紬は、大和朝廷に上納された常陸国の特産物「あしぎぬ」の原型と言われ、奈良正倉院に保管されている。
結城紬の特徴は「最高級のおしゃれ着」とされ、すべて手作業での生産方法による精緻な製品であり、着物自体は軽くて温かい。伝統的な技法による織物は国の重要無形文化財、伝統的工芸品に指定されユネスコ無形文化遺産にも登録。
施設の広さは従来の1.3倍となる約961㎡の平屋建て、大谷石やスギ・ヒノキ材などの県産品を活用。生産性の高い高機(たかばた)4台を新たに導入し、デザインや染色、布地の強度を測る機器等も更新。紬織物を学べるようロビーや展示室に、製作工程のパネルや道具を展示した。
平成30年より着工した同整備は国の地方創生拠点整備交付金を活用し、外構工事を除いた総事業費は約6億3千万円。
紬織物の継承と産業振興には人材育成とともに、40を超える作業工程が全て手作業で機械化が難しい中、市場価格の引下げが可能となる工夫が不可欠です。関西方面では一反あたり100~200万円で取引されることもあり、地元の平均的な価格でも40~80万円。県内の観光誘客では着付体験や着物に着替えての市内観光も行われており、着心地の良さを実感してもらう機会の提供や、商品普及が図れる価格帯にどれだけ近づけられるのかが課題となる。