2015年9月の関東・東北豪雨災害により鬼怒川の氾濫被害などを受け、翌年7月から国・県・市で検討を重ねてきた中橋架け替え事業に関する基本方針がこのほど公表された。
1936年完成した中橋は橋長295m・幅員11mで、その後、渡良瀬川の堤防かさ上げに伴い橋の両側接続部が堤防より2~3m低くなっている。老朽化もあって国の重要水防個所として危険度Aランクに指定され、3年前に策定した渡良瀬川河川整備計画でも本流で唯一、「架け替え」対象に挙げられていた。
過去にも整備が検討されたが、橋の北側はJR両毛線を高架でまたいで県道桐生・岩舟線に接道することから周辺住民の理解や、3連アーチの形状による景観保存を望む声もあり、事業化までには至らなかった。治水対策などから長年の懸案だった中橋架け替えが、今回の三者による合意を受け、早ければ来年度にも事業計画化の見通し。
基本方針では現在の位置に新橋を架け、幅員は20m前後に広げ、堤防をかさ上げする。新橋整備に先立ち、下流側へ新たに橋脚を設置し現橋上部をジャッキアップして移動させ、歩行者・自転車専用として活用。
今後、周辺住民の理解促進を図り、2年後の着工を目指す。総事業費は国・県合わせ約110億円、工期は5~6年を見込む。着工時は車道用の仮橋は設置せず、中橋を挟む田中橋と渡良瀬橋への迂回を促す。
東武線足利市駅から望む渡良瀬川と街並み、さらに織姫神社を含む北部の山々の景色にマッチした市民のアイデンティティーである中橋が、水害対策とともに生まれかわる。