一昨年の台風19号による豪雨によって、足利・佐野市内も大きな浸水被害に見舞われました。尾名川や出流川の下流域では、旗川に流れ込む合流点に設置の水門が閉じられたことから、堤防内に溜まった水が溢れ、あしかがフラワーパークや毛野東部工業団地など足利市東部の広範囲で被害が発生。
近年、河川の計画規模を超える降雨に対し、河川改修等のハード対策のみでは対応できない状況にあります。旗川の計画流量は毎分700㎥で、渡良瀬川の水位上昇に伴い水が旗川に逆流し計画量を上回ると、旗川に流れ込む河川の水門が閉じられ、「内水氾濫」の可能性が高まる。
これまで県は緊急排水作業を必要とする場合、可搬式ポンプ(10㎥/分)で対応してきたが、今年5月、安足土木事務所の足利庁舎と安蘇庁舎、栃木土木事務所に排水ポンプ車を各1台ずつ配備。処理能力は毎分30㎥で、25mプールの水を約20分間で排水する。1台約4,500万円で購入、排水業務を県建設業協会が受託し、足利・佐野支部会員企業が行う。
このほど、足利市奥戸町の尾名川水門でポンプ車の排水実演が行われ、早川尚秀足利市長や金子裕佐野市長とともに私も視察してきました。林真土木事務所長は実演を前に、「定期的な点検・訓練を続け、有事における迅速な排水に努める」と挨拶。
中型免許で運転が可能な車両は機動性に優れ、河川に投下するポンプは浮遊式になっており、水位の上下に影響なく稼働。尾名川の水面に浮かべたポンプは力強く水を吸い上げ、長いホースを通じ堤防を越え旗川へと排水した。
しかし、排水ポンプ車で内水氾濫を完全に解消するのは難しく、少しでも住民の避難する時間を確保するためのものである。昨年6月に県が発表した最大規模の洪水浸水想定区域図では、川沿いの広範囲が0.5~5mの浸水想定区域になっており、もしもの時は関係機関の情報をもとに早め早めの避難行動に努めましょう!